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ロンドンの美しい並木道がなくなる?プラタナスのお話

投稿日:2019-06-25 更新日:

ロンドン プラタナス

 

ロンドンの風景を作っているプラタナスとは

ロンドンの沿道や公園にはたくさんの木が植えられていますが、特にある種の木が最近気になっております。

それは London Plane (プラタナス)

日本語ではスズカケノキとも言われる落葉樹で、北半球に多く見られる4大街路樹の一つだそうです。特徴は迷彩色の幹。とてもわかりやすいです。葉は大きめな(手のひらサイズくらい)カエデのような形です。

そもそもこの木のことが気になったのは、春になってもなかなか葉を付けない木がたくさんあったので、全部枯れたのかと思ったからです。(実際は枯れていませんでしたのでよかったです。。)  しかも主人からこの木が空気の悪いビクトリア時代にたくさん植えられたということを聞き、大変興味を持ちました。

ビクトリア時代には、空気汚染お構いないしの産業革命が起こり、ロンドンは大変な公害の町となったらしいです。工場からの煙や家から出る暖炉の煙であたりが薄暗く、不衛生な生活もあって病気が蔓延。

そもそも沿道に美しい木を植えているパリに倣って植えられた街路樹ですが、空気をきれいにしてくれるというこの木はまさに一石二鳥。

美しいだけではなく、空気が悪いところでも土が悪くてもよく育ち、コンクリートで周りを固められてもしっかりと根付くことができる強い木なんだそうです。葉の表面にある毛で空気中のダストを取り込んで、酸素を放出します。そして汚染物は樹皮となって剥がれていくとのこと。まさに天然のエアクリーナー。

Mill bank

テムズ川沿いに植えられたLondon Plane

ロンドン プラタナスの歴史

19世紀にこの木の人気に火が付き、どんどん沿道に植えられて行きました。1920年までには約60%がプラタナスだったそうです。

ですが、第一次から第二次世界大戦の時期に空襲などでダメージを受け徐々に減り、変わって短命ですが早く成長するシルバーバーチ(白樺の一種)やバードチェリー(桜の一種)などに置き換えられ住宅街の沿道などに植えられていきました。

現在では全体の4%ほどに減ってしまったようですが、まだロンドンではよく見られる美しい木です。

この木の起源は、17世紀中頃にアジアとアメリカのplaneからハイブリッドが作られ、それがロンドンへ運ばれたとか、植物コレクターであったJohn Tradescantという人物によって親木がもたらされ、この種が生まれたなど諸説があるようです。何れにしても17世紀にはイギリスに存在していたのですね。

London’s Street Treesの著者、ポール・ウッドさんによると現在ロンドンにはトータルで840万本の木が植えられていて、そのうち500の種からなる90万本が沿道に植えられていているそうです。

ちなみにこのポール・ウッドさん、元々はウェブデザイナーなのですが、木が好き過ぎて歩いて本数を数え、本も数冊出しておられます。変わってるなと思われそうですが、ロンドンの並木道を歩いているとそんな気分に駆られるのもおかしくないような気がしてきます。しかも名前Woodさんは本名だそうです!私も今回"木オタク”になるべく、ウッドさんの本を購入しました。

poul wood

これからじっくり読みたいポールウッドさんの本

ロンドンの自治体では1年に40から45ミリオンポンド(56億円から63億円)が樹木へのコストとして使われています。ロンドンの街並みはしっかりとしたメンテナンスによって保たれているのですね。

 

ロンドンの美しい景観が消えてしまう危機?

実はつい最近このプラタナスを枯らす菌がフランスから上陸するのではないかと危惧されています。

南フランスにはCanal du midiというルイ14世により作られたとても美しい運河があり、250キロメートルもの運河沿いに42,000ものプラタナスが植えられていました。しかしこのプラタナスの大部分が2006年から徐々に病気によって枯れ、切り倒されました。 ほとんどが1830年に植えられた200歳位の時だそうです。とても残念。

フランス

フランス Canal du midi

この病気がいつイギリスにも来るかわからず、そうなるとたくさんのプラタナスがロンドンから消えてしまうことになるかもしれません

そもそもこの病気自体はかなり前、第二次世界大戦の時にアメリカの弾薬を運ぶ木箱からイタリアにもたらされたのが原因だと言われています。それがゆっくりとヨーロッパに広がっているようです。

こうなるとロンドンでプラタナスが植えられている有名な場所、例えばThe Mall (バッキンガム宮殿へ続くまっすぐに伸びる道)、Embarkment (テムズ川沿いの道)、Barclay Square(中心部メイフェア地区にある公園)などは大変なダメージを受けてしまうでしょう。

The Mall の木は60-70歳、Embarkmentは1870年代、 Barclay Squareは最も古いもので1789年なので200年を優に超える木です。

古い木は 30メートルほどにまで育つので、2階建てバスが通過するとしばしば枝に突っ込んでメキメキと枝が折れるの中から見ていると言う状況は珍しいことではありません。(これもロンドンの風物詩かもしれませんが。。)

万が一枯れてしまったら植え替えてもても今のようになるにはとても長い年月がかかるでしょう。。もう生きている間にはあの景色が見られなくなってしまいます。ロンドンにお越しの際にはちょっと気にして見てみてくださいませ。

London Plane

プラタナスのある風景 スローンスクエア

 

新しい空気清浄の取り組み

そして今木に変わって、新たに空気清浄テクノロジーが進んできます。
ロンドン中心街には、巨大なグリーンのオブジェが置かれています。こちらは木の何倍もの汚染物を吸収してくれる、スーパーエアクリーナーなのだそうです。

環境問題に積極的に取り組んでいるイギリスは、現在色々な法整備や取り組みをしています。今まではそれほど気にならなかったものなのですが、昨今では本当に普通の生活に根付いてきて、なんだこれは?と思うようなものが非常に多くなってきています。

今後はこう言ったことについてご紹介していきたいと思っています^^

 

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